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アキハバラ電脳組
Rubification - C.T.i.A / O.S.T
- ANIME CD Reports '98

■ CD Information
[総評]

 オーケストラ風の曲もあると思えば、軽い曲もあり、歌もありの密度の濃いCD!
 テレビで度々登場する曲は、ほぼ全てを網羅されている。しかも、オープニングとエンディングテーマ曲も収録されているので更にお買い得!
 ファンなら絶対買うべし! 損しないよ! 保証します。例えどんなに画質が落ちようとも、音楽さえよければ!!!(汗
 補足…CDジャケットのデザインがカッコイイ! センスいいです。裏側を店員さんに向ければ問題は無い。ただし、袋に入れるとき、縦に立てられると……後ろに人がいた場合チョッチ…アレ…ですね。
 初回特典…クリアCDジャケット

[アキハバラ電脳組]

 2019年の東京はアキハバラが舞台。ヒロインの花小金井ひばりは13歳の中学生。夢で王子様に出会い、パタPi(パタピー)という不思議なロボットを貰うことになる。物語は、このパタPiを巡る攻防と、ギャグ、科学とは何ぞや?を論ず、などなど、なんだかいろいろ詰まっています。オススメは4話、8話、16話。
 はてさて、12話以降、時々作画が乱れる……全体で重要な謎解きをしている回が特に酷い。最終回に近づくに連れ、超強力な作画陣営が控えているので、まぁ、最後のほうは安心出来るだろう。
 オマケ情報。映画化が決定。テレビの続編らしい。


■ CD Data
●アニメ作品『アキハバラ電脳組』
●音楽 光宗信吉
 

Track 2 ......『Birth』
	歌:奥井雅美
	作詞:奥井雅美/作曲:奥井雅美,矢吹俊郎/編曲:矢吹俊郎
Track 10 .....『恋しましょ ねばりましょ』
	歌:かかずゆみ
	作詞:奥井雅美/作曲:矢吹俊郎/編曲:矢吹俊郎
Track 12 .....『BABY MAYBE LOVE』
	歌:島涼香、古住梢、浅川悠
	作詞・作曲・編曲:Yuki☆Matsuura
Track 17 .....『シンシア・愛する人』
	歌:Ritsuko Okazaki
	作詞・作曲・編曲:Yuki☆Matsuura
Track 23 .....『太陽の花』
	歌:奥井雅美
	作詞:奥井雅美/作曲:奥井雅美/編曲:矢吹俊郎
●演奏時間 56分25秒
●発売元 キングレコード株式会社
●発売日 1998年7月24日
●CD番号 KICA 408
●定価 3,059

■ Sound Tracks
1.CYBER TEAM In AKIHABARA(Piano version)  [1:09]
2.Birth  [2:45]
3.Subtitle [0:11]
4.アキハバラ電脳組 [1:21]
5.午後 [1:53]
6.駅 [1:16]
7.パタPi [1:55]
8.VS [2:09]
9.Chase [2:13]
10.恋しましょ ねばりましょ [4:37]
11.大阪娘 [1:35]
12.BAYBE MAYBE LOVE [4:04]
13.Eyecatcher I [0:11]
14.CYBER TEAM in AKIHABARA [3:10]
15.朝 [3:26]
16.王子様 [1:20]
17.シンシア・愛する人 [4:06]
18.涙 [2:09]
19.シューティングスター [1:46]
20.召還 [1:51]
21.降臨 [1:37]
22.闘い [1:51]
23.太陽の花 [4:33]
24.クリスチャン・ローゼンクロイツ [3:23]
25.NEXT [0:14]

■ CD Review
1.CYBER TEAM In AKIHABARA(Piano version)
 静かなピアノの旋律が続くアキハバラ電脳組のテーマ曲(のような曲)。別名"ひばりのテーマ"(←勝手に決めるな)。ひばりの私生活、昔を想い出す回想シーンで使われる。静かな曲の出だしが、これが「アニメのサントラ」であることを忘れさせてくれる。ワイドショーでは故人をしのぶ「○○氏、67年間の軌跡」というBGMに使われそうだ。

2.Birth

 ことぶきつかさ氏のイラストが着色され、デンスケが羽ばたくオープニング曲。歌い手は"アニメでしか歌わないが声優ではない"奥井雅美さん。アニメのサントラにはオープニング曲がはいると浮いてしまいそうなものが多い(たとえばブレンパワードにはOP未収録)。しかし、電脳組に至っては心配無用。オープニングが浮くことなく、すっきりCDに収まっている。このOPの効果か、このCD1枚で非常に完成度の高いのが特徴的だ。
 私はこの曲で初めて奥井さんを知ってしまった。…点気が付くと他にも奥井さんのCDが2、3枚……はっはっは。問題ない、続けたまえ(←心の声)。
 そういえばオープニングは二度変更されたのが懐かしい。1、2話のオープニングは第1話のダイジェスト映像。よくできてます。ウワサでは時間がなかったとか・・。3話からは通常のオープング。実は密かに15話『つばめ』よりオープニングが一部修正されている。よく注目するとわかるのだが、つばめの髪の色が変更されている。当初「薄い青」だった色が「薄いピンク」に。おそらく一部で「これってルリとかわんねぇんじゃない?」という突っ込みがあったと思われる。期待に逸れず、つばめは流行りのアヤナミ系キャラである。

3.Subtitle

 タイトルが表示されるときの音楽。

4.アキハバラ電脳組

 クラリネットのホニャホニャと、妙に軽いフルートが軽快な一曲。ひばりやつばめ達が会話するシーンで用いられる。アキハバラ電脳組(以下、電脳組)の世界観を象徴するかのようなほのぼのとした曲。この曲を聴きながら電脳組の真の抜けた曲をご堪能いただきたい。

5.午後

 チェロ(?)の協奏にクラリネットが途中から絡んでくる。ほのぼのとした放課後を思い起こさせるようだ。
 学校の授業を終え、ひばりの「ねぇねぇ、みんな、どこにいく?電気街のパタPiショップ?それともDOSバーガー?」という声が聞こえてきそうだ。この曲が効果的に使われたのは第8話『五人目…』にて、放課後ひばりがうずらに呼び出されるシーン。鮮明に「裏of体育館」の文字が脳裏に浮かぶ。

6.駅

 今度もチェロのような弦楽器とプルート、パーカッションが絡んで軽快な雰囲気を出している。これも電脳組の会話シーンで用いられることが多いようだ。

7.パタPi

 パタPiのテーマ曲。「う〜っ、パタPi! みんなでパタPi!」というCMが電脳組曲中で使われている。そのほか、パタPiたちが戯れるシーンなどでも。
 どうもこの曲、ポケット・ピカチュウのCM曲と似ている気がするのだが、気のせいであろう。

8.VS

 慌ただしいような軽快なリズムにのって、楽器の騒がしさを前面に出している。第8話『五人目…』にて、うずらが執拗にひばりを追いかけて使われるシーンで使われた。この曲は「うずらのテーマ」であると言ってもいいであろう。たった1回しかテレビに出ていないのに恐ろしいほどのインパクトを与えてくれた。「ひばりサマァァ〜!!」と絶叫するうずらが目に浮かぶ。はっきりいって、うずらはストーカーだ。それにしても放送中の現在、8話のテンポの良さは一番!の傑作ではないだろうか。
 なお耳にした情報では少女革命ウテナの曲と似ているところがあるそうだが、作者が同じなので似ることもあるだろう。たとえばブレンパワードやカウボーイビバップの菅野ようこさん。ブレンパワードの曲はマクロスプラス(1995)の作品と非常に似た雰囲気を出している。

9.Chase

 あまり印象に残りにくい曲である。ピアノが慌ただしく鳴るそんな曲。

10.恋しましょ ねばりましょ

 敵方のダークビジョンがアイドル歌手"はと子"として歌っている曲。古くさいアイドル風の曲ではあるが、なかなか電脳組の世界観とマッチしていような雰囲気がある。
 なお、作詞はOPの奥井雅美さん。奥井雅美さんのCDシングル「−朱−」の中でも同名曲が歌われている。ファンなら要チェック。

11.大阪娘
 タイトルから察するように泉岳寺かもめのテーマ。かもめのパタPiビリケンのテーマでもある。よくわからないが、この曲が流れると「あぁ、大阪やなぁ」と思ってしまう。よくわからないが、そんな気にさせるのが音楽担当の光宗さんの実力なのだろう。

12.BAYBE MAYBE LOVE

 歌っているのはひばり・すずめ・つぐみの3人組。聞いていて気持ちの良い曲である(気持ちいいもの……碇司令(c)レイ←ってどういう意味なでしょうね)。3人が重なって歌ったり、それぞれパート分けされたり。誰がどこで歌っているのか探すのもいいとおもうぞ。
 劇中では16話『アニマ・ムンディ』にて使用された。つぐみが道場を飛び出し、いじけていると耳にしたのがこの曲。かくして彼女の将来の夢は「アイドル」となったのである。

13.Eyecatcher I

 CMに入る前のアイキャッチ。平和な話に多用される。出番は前半の終わり。テレビは「アキハバラ、電脳組!」という声が入っていたが、ここでは音のみ。おそらく、声つきバージョンは2・3枚目のCDへお預けなのであろう。
 このアイキャッチを境に全体の曲の感じもガラリと変わってしまう。明るいテンポ良い前半にくらべ、後半は落ち着いた曲が増えていく。良いタイミングのアイキャッチだ。

14.CYBER TEAM in AKIHABARA

 メロディはトラック1に収録されていたピアノバージョンに弦楽器が絡んでいく。このCDにおいて代表的なナンバーだろう。ローゼンクロイツ校長は言った、「人は科学を手に入れたが、それは本当に人を幸福にするのであろうか」。そういう影のテーマを思い起こさせる曲だ。
 後半一分を過ぎると曲風がガラリと変わる。テレビ初期のエンディング間近によく使われていた。電脳組の主題ともいうべき悲しい旋律。(なんとなく盛り上がる部分が"もののけ姫"の曲に近いような気もする……とはいえ"もののけ姫"の曲も映画"ブレイブハート"のテーマ曲にそっくりなのだが。ウソだと思うなら聴き比べてほしい。)

15.朝

 使われている場面があまり思い浮かばれない。夜明けをイメージするピアノの旋律とサックスが奏でるメロディが心地よい。

16.王子様

 「王子様……」ひばりは暗い宇宙のなかで、王子を見つける。「ぼくは、ここにいるよ……」。白い王子のテーマ曲。第1話のパタPiが空から降ってくるシーンでは効果的に用いられていた。その他、ひばりの夢の中で王子が出てくるときには、かならずこの曲がつかわれている。主旋の背後で囁くような音が、宇宙をおもいださせる。ニュースで日本人が宇宙に行くような事があれば、まちがいなく使われるであろう。
 幻想的な広がりのあるこの曲。夢の中でひばりが「王子様っ、私のカレー、受け取ってくださ〜い!!」と王子に向かって言う。第6話『白い王子』にて使用されたこの場面は、シリアスな曲とのギャップに何故か笑えてしまう。

17.シンシア・愛する人

 赤い靴を履いた者は、死ぬまで踊り続けなければいけない。第11話『赤い靴』において使用。ひばりが赤い靴をはき、鷹士とメリーゴーランドに乗っている。しだいにひばりは眠りへと落ちる。なお、テレビ本編において、ひばりに赤い靴を履かせた鷹士。その真意とは?? 別に意味もないが、単なる演出だったのだろうか。

18.涙

 "CYBER TEAM in AKIHABARA"をピアノアレンジした曲のようである。

19.シューティングスター

 黒い王子こと竜ヶ崎鷹士のテーマ曲。なんともいえない感じの暗い曲だ。オーボエのメロディに哀しい鈴の音。

20.召還
 悪の三人組(?)のテーマ。ブラッドファルコンが「いでよ、ケルベロス!」と叫び、巨大な敵が地中から勢い良く登場する。が、いつもボロ負けして去っていく。あの3人組がまともに勝てたのは数えるくらいしかないだろう。ご愁傷さま。

21.降臨

 ひばり達の心からの叫びにパタPiは応える。突如パタPiが光り輝き、その光は一直線に空へ。そして空からはディーヴァが降りてくる、そんな場面。(デンスケ達が変身しているようにも見えるが、あれは衛星軌道上の城から転送しているらしい)
 番組を見ていると、この他にもいくつかアレンジした曲があるようだ。イントロが微妙に違う。

22.闘い

 闘いの曲というより、むしろ、三人組がやられるテーマ曲である。おそらくテレビの視聴者がこの曲を耳にすると「あぁ、今日もそろそろ終わりかな〜」と思うであろう。

23.太陽の花

 奥井雅美さんが歌うエンディングテーマ曲。

24.クリスチャン・ローゼンクロイツ

 「学校は楽しいか?」「私はこのアキハバラという街が好きだ。君はどうだ?」 妙にあやしいセリフを放つ校長のテーマ。

25.NEXT

 電脳組ロゴから次回「○○」と映る場面の曲。あぁ、今日も一日が終わったか。今回の作画の質は……ブツブツ

Masato Zembutsu : asuka@tym.fitweb.or.jp もどる