ネットでよく「ハッキング」と「クラッキング」は違うんだ!とか「ハッカー」と「クラッカー」は違うんだゾ!!といった論争を見かけたことはありませんか? コンピュータに不正アクセスしてデータを盗み見たり改竄・削除する人たち、さぁ、どっちが正しい言葉なのでしょう。
これは僕の勝手な私見ですけど、今はどっちも同じ意味なのではないでしょうか。侵入者もコンピューターのスペシャリストもハッカーではないかと。
ハッカーという言葉が世の光を浴びたのは1984年。STEVEN LEVY(スティーヴン・レヴィ)氏が「HACKERS」という本を出したとき、まだコンピュータの優れた技術者をさす言葉でした。しかし、その後、アメリカのCBSテレビがニュースの中で「コンピュータへの不正侵入者=ハッカー」と呼んだのを皮切りに、次第に意味が変わっていったようです。日本では"ハッカー"="不正侵入者"と定着している気すらします。コンピュータ専門誌はともかく、一般の間ではそう認識されているでしょう。
コマカク言えば違うのですが……。言葉というものは時代や場所において意味が変わってくるものです。たとえば、「ホームページ」は違うんだ!!というのも有名な話ですね。「ウェブページ(WebPage)の一番上にくる中心的なページがホームページ(Homepage)である」というのが本当の所。
このほか、「ムカツク」なんて言葉もありますが、本当は「胃がむかつく」=飲酒・暴食により胃の調子が悪くなる様子、の事なんです。もし、ホームページは違う!!なんて言うんだったら、ムカツクなんて言葉を使ってはいけませんよね。自分の都合良いときだけ批判するのはいかがなものでしょう。(そういう方が「ら」抜き言葉を使っていると、なんだかなぁ〜という気分にさせられます)
言葉は意味が通るなら別にどちらでも良いでしょう。
言葉は生きている。そういう風に例えることもあります。
日本という国は、とにかく「法律」や「社会通念上のタテマエ」を優先します。何か新しいことを始めようと思っても「いや、前例が無いから……」と。。。執拗に「あれはクラッカーなんだよ」と言うのを聞くと、「これは法律がこう決まってるから変えようが無いんだ」というお役所コトバを思い出してしまいます。。。ネットはこれで良いのでしょうか。
ICQでのメッセージ交換に限らず、電子メール、掲示板、IRC、チャット・・・などなど、インターネットで人と人が触れ合うことは、もはや当たり前でしょう。あと数年もするうちに、テキストだけのネットから、動く絵や音声のやりとりが常識になっていくかもしれません。まさに情報革命のどまん中に私たちは生きているのです。果たして、これからネットがどのように進むかは誰にも分かりません。ただ、どんなネットにするかは、我々一人一人の行動次第ではないでしょうか。