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 ※既に多くの方から校正を頂いています。私の翻訳の至らぬ点を修正いただき、ありがとうございます。他にもお気づきの誤字や誤植がありましたら、ご自由に編集ください。
 #contents
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 * Fedora Foundation(フェドラ財団) [#f925490e]
 フェドラ開発コミュニティの人々に向けて:
 
  多くの皆さんがお気づきのように、今週の金曜日(4/7)に FUDCon (Fedora User and Developer Conference=フェドラ利用者と開発者による会議) がボストンで開催されます。今回の会議でもっとも重要な主題の1つとして、フェドラ財団の将来についてが挙げられます。
 
  私はこの注記の後にある文書をフェドラに関わる全ての人々に読んでほしいと思っています。そこでは、フェドラ財団発足当初の声明におけるレッドハット社の意図を振り返り,異なる方針へ移行せざるを得なかった問題点をかいつまんで説明しています。そこでは私たちが代わりに作成中の計画と,フェドラ・プロジェクトが活発になり、成長しつつけるようレッドハット社がとるべきステップを議論しています。
  私はこの注記の後にある文書をフェドラに関わる全ての人々に読んでほしいと思っています。そこでは、フェドラ財団に関する最初の声明におけるレッドハット社の意図を振り返り,異なる方針へ移行せざるを得なかった問題点をかいつまんで説明しています。そこでは私たちが代わりに作成中の計画と,フェドラ・プロジェクトが活発になり、成長しつつけるようレッドハット社がとるべきステップを議論しています。
 
  今回の方針は、より完全で誠実に、そして可能な限りの透明性を保証するものです。もし、そうではないとお考えでしたら、どうか私たち(Red Hat)にお問い合わせください。質問に回答いたします。
 
  この文章ではフェドラ・コミュニティに関わる方々はもちろん、レッドハット社をも含む多くの人たちに対しての説明を行います。少々説明は長いですが、非常に重要なものです。
 
  どうか以下の文章を一目見て、読み込んで、自らのものと消化し、そしてあなたの考えを他の人と共有してください。私はメールでより詳細にこのことを議論することを楽しみにしてます。そして LinuxWorld と FUDCon に於いて、直接論議できる事を楽しみにしています。レッドハット社の中でも、とりわけフェドラに関係の深い人たちが多く参加します。会議に合して、私たちと一緒に論議しようではありませんか。
 
  以上、よろしくお願いいたします。
 
 Max Spevack
 
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  去年の6月、レッドハット社はフェドラ財団を設立する旨の発表を行いました。レッドハット社は財団設立のために賢明な方々が活動しやすいように労を尽くしてきました。ですが、結局の所フェドラ開発プロジェクトの目標の実現の手助けにはなりませんでした。ですが、これからはフェドラ・コミュニティで増加しつつある求心力に対し、フェドラ・プロジェクトを再構築していきます。
 
  次に単純な質問「どうして財団ではないの?」について詳細を説明します。
 
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 ** どうして財団ではないのか? WHY NO FOUNDATION? [#eddb4e6e]
 
  私たちが財団設立について発表したときは、明確な目標と行動が指し示されていました。当初の発表では、Red Hat の知的財産権の導師とも言うべき Mark Webbing 氏によって発表されたものです。財団の目標は、オープンソースのコミュニティによって生み出された様々な特許を保存するための倉庫である、とされました。
 
  この財団設立の趣旨を発表すると、とたんにレッドハット社の内外を超え多くの人たちが知識倉庫としてのみならず、さまざま事項に興味を持ち、これら問題を解決する手段としてフェドラ関連も扱うようになっていきました。フェドラに関する問題も取り上げることにより、財団は釘付けとなり、財団の活動範囲はあまりにも急速に膨張したのです。
 
  チームは財団を設立すべく自ら行動を起こしました。私たちは非常に基本的で柔軟な規約を伴う法人組織を設立しました。これら一連の作業は非常に簡単だったため迅速に行われました。実際、2005 年 9 月の時点で、既に約款を持っていたのです。
 
  さて、それからが難しい問題でした。財団が持つ責任を性格かつ明確に定めなくてはいけなかったからです。この決定に関わる会議は数ヶ月をも要しました。ですが、会議は結局の所、とある1つの質問に繰り返し繰り返したどり着くのでした。それは「フェドラ財団とは、コミュニティによる強力な求心力を持つフェドラ・プロジェクトを超える何を達成したいのか?」という問いです。
 
  ようやくここに来て、その問いに対する答えを見いだすのに至るのです。全ての状況下に於いて、フェドラ財団という選択肢が正しい答えではなかったとの明確な回答にです。
 
 ** 1:オープンソースの特許を共有する場所としてフェドラ財団は存在することができたかもしれません。 [#ub2dc7ad]
 
  これは実際に財団が発足するにあたり自明とされた目的です。サブマリン特許が存在していれば、オープンソースのコミュニティは特許利用料を支払うことになります。一方で、フェドラ財団は防衛的な特許のための倉庫という役割も担えたはずです。私たちは企業あるいは個人に対して特許取得可能かどうかの問い合わせを行い、これら特許利用料を支払うことによって、オープンソースの開発者にレッドハットのライセンスに似たような仕組みを使い、これら特許を利用することを完全に保証することを夢見ていたのです。(http://www.redhat.com/legal/patent_policy.html) 
 
  我々が予想だにしなかったのはオープン・イノベーション・ネットワーク(http://www.openinventionnetwork.com/press.html 以下 OIN ) の出現です。OIN のほうが私たちより迅速かつ完全に、似たようなビジネス展開を行い始めました。詳細については細部まで説明しませんが、OIN が 800 ポンドのゴリラの如く、特許共有問題について私たちと非常に協力したがっていることが明白になってきたのです。
 
  そうですね、企業から特許を要請することについては従来通り大丈夫ですね。ですが、個人にはどうしたらいいのでしょうか。もしフェドラ財団が個人に対して特許取得可能か問いあわせる事に注力してしまっていたら、私たちは一体、何になろうとしていたのでしょう。私たちは何も得るものはない、そのような結論に至りました。たいていの開発者は実際に自分の生活のため、企業(雇用者)に対して特許を引き渡す事がないよう契約を結んでいます。特許を追い求める大学生も、大学に対して特許料を要求しているのです。
 
  フェドラ財団の特許に関する多くのアイディアが浮かびましたが、結局はどれも結論に至らなかったのです。それで、本件については棚上げすることとなりました。
 
 ** 2:フェドラ財団は法律上の問題に対する唯一の窓口になれたかもしれません。 [#x7929f15]
 
  フリー・ソフトウェア財団は GNU プロジェクトに対してその役割を果たしています。私たちはフェドラ・プロジェクトに対してフェドラ財団が同じ役割を果たせると考えていました。あなたは今まで GNU プロジェクトがすべての貢献者に FSF (Free Software Foundation) に対して著作権を譲渡するように指定されていたことを知っていましたか? これには "当事者資格" という弁護士と裁判官にとって重要な概念があるからで。それでは、なぜこの概念が必要かちょっとした場面を考えてみましょう。
 
 検察官「裁判 Z-38-BB-92 の命令にしたがって出廷してください。原告は小さなソフトウェアプロジェクトです。被告側は非常に大きなコンピュータ会社です。」
 
 裁判官「わかりました。イスに座ってください。だが、今日の審理は忙しく、加えて医者と2時間会う約束をしているのだよ。原告側、これは結局、何が問題なのかね?」
 
 原告弁護士「ええと、恐縮です、ここに GPL と呼ばれるライセンスがあるのですが、被告は*明らかに*権利を侵害しています。つまり GPL のライセンスを侵害して、被告側のソフトウェアにコードを組み込んだ事です。」
 
 被告弁護士「ちょっと待ってくださいよ。このような状況下では原告は立件できません。このコードを書いたのは 100 人の開発者で、原告はその中の 6 人の代理を務めるにすぎません。原告側には我々を告訴する明確な法律上の権利を持ってさえいないのです。」
 
 裁判官「この問題は少々厄介な状態ですね。これでは私は審議につくことはできません。相談ですが、残りの 94 人にも原告に加わってもらってから出直してくれませんか。」
 
  このように、裁判にあたり全ての当事者を呼び出すことは大問題です。世界中の弁護士たちが、オープンソースのプロジェクトを防衛するにあたり、裁判を起こそうとしているのはオープンソース界では、単なる一人の貢献者である場合もあるのです。
 
  つまり、このような状況下にあって明らかに問題なのは、そのプロジェクトに含まれる*全ての所有権を原告側が持つ必要がある*という事です。この問いに対する答えは、すなわち、どうして FSF の著作権を*必要としなければいけないか*と同じ事なのです。
 
  現時点のフェドラ・プロジェクトにおいて、著作権についての統一見解がありますか?
 
  まぁ、、、皆無だということがわかります。
 
  それでは例として現在のフェドラ・プロジェクトを取り上げて考えてみましょう。
 
  現時点でフェドラ・プロジェクトの2つの成果は Fedora Core と Fedora Extra であり、いずれも基本的に大規模な Linux デストリビューションです。といえども、ディストリビューションとは何なのでしょうか。理想的には高品質と思われるソフトウェアの集合体と、多くの人たちによってソフトウェアが所有し、互いに共有しあうと言うことです。この部分こそが論点であり問題となる部分なのです。つまり、このような場合では、著作権に関する同意というのものは意味をなしません。
 
  次に、ドキュメントの公開・配布にあたり、フェドラ・ドキュメンテーション・プロジェクトを使う方法と、Open Publication Licence (http://opencontent.org/openpub/) に従う方法があります。ライセンスとは自由に割り当てられるべきものであり、ディストリビューションの活動を防衛するための、著作権の主張には効果的ではないように思われます。
 
  他にもレッドハット社が取得してオープンソース化したフェドラ・ディレクトリ・サーバ(Fedora Directory Server)があります。この場合は誰が著作権を持つか明白ですね、レッドハット社です。フェドラ・ディレクトリ・サーバプロジェクトにおいては、開発コミュニティと力を合わせ進化を遂げるかもしれません。ですが、その時が来るまでは著作権に関する事は、おおかた机上の理論となるでしょう。
 
  法律的に誰が著作権を持つのかどうかという問題は、答えが出ない、あるいは空論でしかないのです。この種の問題に関しては、似た事例が見受けられる FSF といった組織に判断を委ねることになるでしょう。
 
  別の言い方を用いれば、私たちが持っているフェドラをもっと発展させるため資源(リソース、この場合は資金)は限られています。現金のいくらかが高い弁護士費用に与えてしまっていたら、どうなっていたでしょう。もっとも、レッドハット社がフェドラを強く防衛したいと望むのであれば、弁護士を当然雇っていたでしょうし、このような問題も起こらなかったのです。
 
  このような経緯を経て、フェドラ財団は著作権保持のための組織としては期待できないものとなってしまったのです。
 
 ** 3:レッドハット社が資金援助することに大して興味をもたないフェドラに関わる活動に対して,フェドラ財団が資金援助出来たでしょう。 [#k6abf6cc]
 
  おかしな話を挙げましょう。私たちは親友に質問しました「独立したフェドラ財団に寄付する気持ちはあるかい?」。答えはどれも興味深く、走り出したいくらいでした。若干ですが信じられないくらい熱狂的な人たちがいました「お金を喜んで提供するさ!」。中立的なふつうの人は「財団に感謝はするけど、お金はね。それよりもコードを提供したいよ」。乗り気でない人は「レッドハット社は成功して利益を出している企業じゃないか。どうして*私が*お金を払う必要が?」
 
  別のおかしな話もあります。もしもアメリカ合衆国で非営利法人として活動するのであれば、国税庁(IRS=Internal Revenue Service)から非常に厳しい資格審査を受けることが必要です。これらの審査の1つに「公共のサポート」審査というのものがあります。もし、非営利の活動であると主張するのであれば、まぁ、自分自身で非営利ですという事を証明しなくてはいけないからです。もしも過去4年間のうちに入手した資金の3分の1が非営利でなければ、その組織は非営利とは認められません。
 
  レッドハット社がどれだけの資源をフェドラに注ぎ込んだかを話せば,多くの人々は驚くでしょう。もし私たちがフェドラ財団を本当に独立した非営利組織とするのであれば、"現物支給"として 10 セントの寄付まで監査をする必要が出てくるでしょう。つまり、次のような見積もり作業が必要なのです。
 
 - 世界中におけるフェドラ配布にかかる帯域幅の費用。
 
 - レッドハット社の社員がフェドラに費やした全ての時間。実際にコードを書いたりしたかどう
 かではなく、テストをして過ごした時間もです。
 
 - 財団を運営することに関する法律的な出費。
 
 - 財団を運営することに関する管理上の出費。
 
  知的な問題として、帯域幅について以外の問題は当面無視することとします。かつてレッドハット社がディストリビューションを公開していたときは、ディストリビューションをダウンロードすることで帯域を消費してしまい、ネットワーク管理者からは苦言を食らったでしょう。もし酒宴でネットワークの技術者と会う機会があれば、彼らに必ず UUNet でスイッチを動かした時間がどれくらいか尋ねなくてはいけません。
 
  フェドラにおける帯域の使用も同様に高トラフィックなものです。たとえば先の3月20日にリリースされた Fedora Core 5 さえも例外ではありません。控えめにトラフィック評価しても、Fedora の配布による帯域は年に 150 万ドル(約 1 億 800 万円)と推定されるでしょう。
 
  もちろん、対策としては BitTorrent(海外で有名なP2Pソフトです)を使っての配布を行っていますし、世界中のミラーサイトに Fedora が配布されています。
 
  これら帯域量が意味するところは、単にディストリビューションを公開するたけで、フェドラ財団が 75 万ドルを超えるであろう出費がかかることです。サード・パーティ社製の動作テストも含まれます。ですが、個々のユーザーは*帯域*に関して何ら出費する必要はないのです。
 
  もしレッドハット社はフェドラ財団に対してさらに資金を提供しようと決定したら、このようなシナリオの下で、起こることです。なぜなら、それこそが間違いなくレッドハット社がしたいと望んだ事だからです。
 
  公開チャリティーという立場をとる選択肢もありました。私たちは私設としての運営財団を設立することも出来たはずなので、どのような方策が良いのか検討を行いました。しかしながら、それでは本当に独立した組織とはならないのです。まるで殻のようなものです。事実、レッドハット社は財団設立にあたり公的な資金の導入は、501(c) の減税認定より、幾分の法律上のリスクを減らせる事を意味していました。
 
  要するに、実際に独立したフェドラ財団として資金を集めることは難しかったのです。これでは資金集めを行うフェドラ財団は非営利法人としての説明力を失ってしまい、フェドラ・プロジェクトの健全な構築を阻害するものとなってしまう懸念があったのです。
 
 ** 4:フェドラ財団はコミュニティに関わる多くの意志決定に対して、機会を提供することが出来たでしょう。 [#j5a387a6]
 
 > 2年前にフェドラ・プロジェクトが開始された日から今日に至るまで、私たちの目的は財団を作るべきか・作らざるべきかの検討を行ってきました。では、その成果は得られたのでしょうか?
 
  当初は若干の問題がありました。ですが、昨年にはかなり明確な成功を遂げている箇所もあります。フェドラ・エクストラズ(Fedora Extras)プロジェクトの成功が良い例です。2005 年 2 月にボストンで開催された FUDCon で発表したとき、レッドハット社と開発者コミュニティが対等な立場で構成される運営委員会を設立しました。昨夏、ドイツで開催された FUDCon では、ヨーロッパ在住のメンバー達と協力し合うことで、よりグループの力を強くしていきました。今年の初めには、コミュニティの参加者達に運営委員会の主導権を引き渡しました。レッドハット社は支援や法律上のサポートを提供し続けますが、フェドラ・エクストラズの方針は共同体によって決定されるものとなったのです。
 
  さて、それでフェドラ・エクストラズ運営委員会が( FESCO のように)問題に遭遇したとき、どのようになったでしょう。まずは "the Board"(運営委員会)に問題を提示します。ところで "the Board"(運営委員会)とは?誰が? 従来はフェドラ財団を運営する人々でした。それは同じくフェドラ・プロジェクトを運営してきた人々だったのであり、「プロジェクト」と「財団」には実質的な区別がありませんでした。
 
  私たちが「財団」あるいは「プロジェクト」について語るときに*核心*となるのは、コミュニティの運営委員会メンバーであり、それ以外の何者でもなかったのです。
 
 ** 5:レッドハット社の意向とは無関係に、フェドラに成長していく能力を与える、真に独立した実体として、フェドラ財団は活動出来たでしょう。これこそが本当に問題の核心なのです。 [#ac5f11e5]
 
  より独立性の高いフェドラ、これがある種の人々が望んでいることなのです。そして、これは"答えられなくてはならない問い"なのです。
 
  単純に答えるのであれば、レッドハット社はレッドハット社自身のビジネスモデルがフェドラに依存しているため、ある程度フェドラの意志決定に関わらなくてはいけません。レッドハット社はスタッフの参加や数百万ドルの資金提供を行っており、今後ともレッドハット社はフェドラが抱える法律上のリスク(危険性)を全て受け入れます。そのため、レッドハット社は時にフェドラに対して厳しい施策を行う必要もあるでしょう。とはいえ、たびたびレッドハット社が介入するわけではありません。もし私たちが何らかの介入を行う場合には、今回のフェドラ財団をどうするかのリリース発表のように、論理的な根拠を提示するようにします。
 
  ただ、レッドハット社が決定権を持つことになるといえ、レッドハット社が積極的に介入し続ける事は望んでいません。また、レッドハット社がフェドラが必要とする重要な決定に全て口出しすることもありません。なぜなら、フェドラが成功しているのはコミュニティを通じた意志決定が理由の1つでもあります。
 
  フェドラに対して最も重要な約束 --  これまでも自由で、これからも自由である --という事が依然として有効なのです。
 
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 * 新しいフェドラ・プロジェクトの指導体制について [#se21e9ee]
 
  2年前にフェドラが誕生してから、世界規模の多様なコミュニティへと成長を遂げました。それは、どのようなオープンソースのプロジェクトにも見られるように、自然とリーダーとなる人たちが登場してきました。リーダーの中には優れた指導力を持ち、フェドラ・プロジェクトの方向性を決定できるように至っています。
 
  そこで、私たちは直接これらのコミュニティの指導者を呼び集めたフェドラ・プロジェクト委員会を再編成しました。
 
  まずはじめに、委員会は9人のメンバーで組織されます。内訳はレッドハット社から5人のメンバー、フェドラ・コミュニティからは4人のメンバーが選出されています。この委員会は、フェドラ・プロジェクトが稼働する全ての予算決定や戦略上の指示を行うことに、意志決定を含めて実施する事に権限(責任)を持つことになります。
 
  9人の委員会メンバーについて補足すると、委員会メンバー中でレッドハット社から任命される議長には拒否権が与えられています。私たちはコミュニティで発生したどのような否定的な結果が何を招いたか知っていますので、拒否権は希にしか使われないであろうことを期待しています。
 
  フェドラ・プロジェクトの議長は Max Spevack です。Max はレッドハット・ネットワークの QA エンジニア・QA チームに加わっていて、 2004 年にはレッドハット社に入社しました。委員会の舵取りを任される彼は 1999 年からの Linux ユーザです。
 
  レッドハット社から委員会に参加するメンバーは Jeremy Katz、Bill Nottingham、Elliot Lee、Chris Blizzard、Rahul Sundaram です。
 
  Jeremy Katz はレッドハット社の技術者です。彼は Anaconda と Fedora Extra 運営委員会の設立時からいる長年のメンテナーです。
 
  Bill Nottingham は 1998 年 5 月にレッドハット社に入社していて、Red Hat Linux の基礎起動ポート・ia64・ハードウェア検出・multilib コンテント定義と修正に携わっていました。今は特定の Linux にのみ関わらない仕事をしています。これまでは、彼も同じくパッケージ CSV の基礎構造とディストリビューション構築のような、さまざまな専門的な主要事項に携わっていました。
 
  Elliot Lee はソフトウェア技術者として 1996 年から レッドハット社で勤務しています。彼のオープンソースに関わる貢献には、GNOME プロジェクトを共同設立したり、Fedora Core のリリースなど様々なオープンソースのライブラリやリソースを保守しています。彼は Fedora Extras 運営委員会の設立時メンバーです。現在 Elliot は Fedora 構築チームを率い、貢献者がより簡単に楽しくなるよう働いています。
 
  Chris Blizzard はレッドハット社の技術マネージャです。彼は Mozilla 財団の委員会に勤めています。現在はレッドハット社の One Laptop Per Child プロジェクト(1人の子供に1つのパソコンを)に参加しています。
 
  Rahul Sundaram はインド Pune に本拠地を置くレッドハット関連会社に勤務してます。彼は多数のフェドラ・プロジェクトや、インドでのフェドラ委員会として指導力を発揮し、フェドラに長く貢献しているメンバーです。
 
  フェドラ・プロジェクトにコミュニティから参加するメンバーは Seth Vidal、 Paul W. Frields、 Rex Dieter に加え、近く4人目が選出される予定です。
 
  Seth Vidal は Fedora の基本的なソフトウェア構築に関わる重要な yum プロジェクトの指導的立場です。また彼は Fedora Extras 構築システムも管理しています。彼は Fedora EExtras 運営委員会の設立時メンバーです。また、彼は 2005 年に Fedora Extras に登録されていないリリースに関して管理するメンバーの一人でした。Seth は他にも Fedora project wiki、RSS フィーダー、bittorrent サーバといった fedoraproject.org の主要管理者でもあります。
 
  Paul W. Frields は 1997 年からの熱狂的 Linux ユーザで、フェドラ・プロジェクト開始後の 2003 年に Fedora Documentation Project(文章化プロジェクト)に参加しました。制作・編集と Documentation Project 運営委員会のメンバーとし、他にもいろいろな仕事・文章(Documentation Guide)・インストーレーションガイド(Installation Guide)や RPM パッケージ管理に携わっています。
 
  Rex Dieter はネブラスカ大学リンカーンの数学科でコンピュータ・システムの管理者として勤務しています。Rex は KDE 提唱者であり、KDE Red Hat Project の創設者でもあります。彼は Fedora Extras で活発な活動をしています。Rex はオハマ・ネブラスカで妻と2人の子供、そして4匹の猫と暮らしています。
 
  さて、実際の所、活動期間・委員会構成・選挙あるいは任命手順などの多くが未解決です。新しい委員会の最初の責任の1つに、まずはこの問題を解決すべくフェドラ・コミュニティと共に取り組む事でしょう。
 
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  レッドハット社は今日まで10年以上にも渡り無料の Linux ディストリビューションを提供してきました。もちろん、これからも*常に*無料の Linux ディストリビューションを提供していきます。私たちはフェドラを更に良くするためにフェドラ・コミュニティの人々と共に働くことを望みます。私たちはレッドハット社とコミュニティとの間に、本当のパートナーシップとしてのフェドラが活躍できる事を期待しています。実際に、私たちは本当に協力しあうことで良いモデルを作りたいと希望しています。私たちは MySQL に携わる人々が Fedora での MySQL の管理をされることを望みます。私たちは kde.org に携わる人々が Fedora で KDE を管理している事を望みます。私たちは Fedora でオーディオを管理するため Planet CCRMA の人々の参加を望みます。私たちは Fedora が単なるオープンソース・ソフトウェアのためにだけではなく、あらゆる種類のものをオープンにする人たちの足がかりになることを望みます。私たちはフェドラ・プロジェクトがコミュニティによって質の高いオープンソース・ソフトウェアの集合体になる事を望み、そしてフェドラ・コミュニティがこれまでに見たことがないような革新的な力を与えることを望みます。
 
  新しいフェドラ・プロジェクト委員会は今後あらゆる種類の強い代表権限を持っており、レッドハット社から完全なるサポート(支援)を受けます。私たちはあなたたち、フェドラ・コミュニティ参加者が、これまで同様に委員会に協力してほしいと思いますし、私たちは、あなた方が私たちに与えた全ての協力に対して感謝します。私たちはあなたの辛抱強さ、あなたの友情とあなたの精力的な援助なしで成しえることは殆どなかったでしょう。
 
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 原文
 - Fedora Foundation
 -- https://www.redhat.com/archives/fedora-list/2006-April/msg01022.html
 
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 注記の部分は、元の訳文が踏み込み過ぎている(レッドハットの社員としては言い過ぎではないか)と感じたので原文に沿って言葉を変えてみました。
 
 ONE〜FIVEで始まる文は、couldであるので、弱めに訳し直してみました。
 
 Free Software Foundationは1つの財団です。GNUプロジェクトのために設立されました。
 
 3の「不快感を持つ」の部分は意味が逆で,「えっ(レッドハット社は)そんなに貢献しているの」と驚くという話です。
 
 if Red Hat were to decide to spend〜は、変更した訳文でも自信はありません。
 
 FIVEでは、単にFedoraとしているところはFedora Projectであり、Fedora Foundationとは異なるものとして、訳し直しました。

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