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2005年06月03日

米バイオテクノロジー業界とキリスト教、そして遺伝子組み替え米

  • 米バイオテクノロジー業界の展望

     時を同じく、おりしもこんなニュースも。

  • 遺伝子組み換え稲:
    1050本を田植え 実験中止求め、農家ら集会 /新潟

     私も稲作農家(これでも有機 JAS 認証を終えてます)ですから、一言。

     とりあえず、実験なんだから様子を見てみては?

     実際に導入するもなにも、まずは実験してみないと何も分からないのではないですか。導入する前の試験段階なのですから、感情的に反対を叫ぶのは全く意味のない行為だと思います。もっとも、このような問題がある事を社会的にアピールする意味はあるかもしれません。ですが、それ以上の事は何もありません。一つのニュースとして、いずれ忘れ去られてしまうでしょう。

     本当に導入に反対であれば、簡単・確実な方法があります。
     それは「農家が遺伝子改良作物を作らなければいい」ただそれだけです。
     本当に反対なら、作らなければいいんです。

     このようなニュースが流れる度に首をかしげざるを得ないことが「農薬に対する問題と関心」です。
     「農薬」って、本当に安全なのでしょうか。
     草を枯らしてしまうほど、害虫を殺してしまうほどのの
     強い科学力を持つ農薬、
     それを散布することは安全なのでしょうか。

     農薬に関しても、
     遺伝子組み替えに関しても、
     どっちもどっち、と私は思います。

     本当に消費者のための事を考えるのであれば、
     農薬の散布も辞めるべきなのではないでしょうか。

     得体の知れないものだから否定するというのは、何も始まらないと思います。

     ちょっとピントがずれてしまってないかな?と思うのが、
     問題となっているのは「単に遺伝子を操作した米」というだけ、
     ではなく、
    「遺伝子組み換えによって、農薬耐性を高めること」が
     目的だから問題なのではないでしょうか。

     遺伝子組み換え作物は、病気にかかりづらくしたり、農薬に耐性を高めるために、遺伝子を人為的に組み換えています。対して、従来(現行)の品種改良は交配を繰り返す事によって品種改良をすすめていくという行為です。品種改良のためには膨大な時間を必要とします。しかも「偶然」目的を達成した優れた作物を生み出すことに注力します。対して、遺伝子組み換えでは「偶然」ではなく「必然」と品種の改良をすすめるという行為です。

     どちらも、品種改良には変わりありません。
     それは「人の手によるものか否か」の違いだけとも、
     極論からすると、そうなってしまいます。

     なんとなく、ですが、私はアメリカでの遺伝子組み換え反対運動には、「キリスト教の教義的バックボーン」があるのではないかと思うのです。

     たとえば、キリスト教原理主義ともいえる人たちは、ダーウィンの進化論を真っ向から否定しています。学校で教えてはいけないという事が問題となり、裁判を起こしているくらいです(参考:進化論裁判)。

     進化論というのは、一言でまとめちゃうと「人間は猿から進化した」という事。

     キリスト教の教義の中には「すべてのものが"神の創造物"である」という考えがあります。
     神が人間を作ったのだから、猿から進化するはずはない!というのがキリスト教的に正しい考え方のようです。
     つまり神が与えてくれた"小麦"などの農作物に対して遺伝子操作を行うことは、"神の摂理に反する"という考えにつながるようです。

     加えるなら、アメリカの公立高校の8割が進化論を教えていない事も例としてあげられるでしょう(もっとも、このデータには裏付けがないのですが……)。

     だから、アメリカの遺伝子組み換え反対は、胎児の堕胎も禁止するという「キリスト教」的な影響を受けた運動とも考えることが出来るとも思います。

     それに釣られて、日本の農家が祭りでワショーイやってる図、という気もします。。

     なにはともあれ、正確な情報を、ですね。。。
     現時点で私が考えているのは、このようなイメージです。
     間違っているなー、と思えば、投稿を改めて行います。

     ひとます、中立的立場から、今後の動向・ニュースを見守ります。

    投稿者 Masato Zembutsu : 2005年06月03日 09:51

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