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二次元にようこそ!

 二次元にようこそ!

 ある一点のみをとらえると、
 ベトナム戦争はアメリカの「負け」言われる事が多いだろう。
 だが、それは確かなのだろうか。
 現在進行形であるイラク戦争(湾岸戦争~現時点に至る占領下のイラクも含める)は
 「勝ち」か「負け」か

 戦場をベトナムのみという世界の中の局地で見た場合、
 確かにアメリカは撤退し、負けたと言えるであろう、
 ホー・チ・ミン市が陥落した時点で。

 だがしかし、視点を歴史という流れで見れば
 勝ったか負けたか安易に判断できる物では決してない。
 歴史の流れを、単に点のみでしか捉えないことが
 なんと危険な事かと、歴史は教えてくれるのではないだろうか。

 最近の情報を見ていると、
 イラク戦やアフガニスタン戦という局所でしか考えられなくなっている、
 そう考えることしか出来ない、脳が矮小化している愚かな私がいる

 こういうたとえ話がある。
 蟻は自分の巣(nest)の中を自由に行き来しているつもりらしい。
 巣の中は筒状の世界、そこには前後しかない2次元の世界。
 彼達には人間の知る3次元(点・平面・空間)を知覚できない。
 知覚出来ないのに、理解は出来るのだろうか。
 羽を持つ女王蟻と一部の羽蟻のみ空を飛ぶ事が出来る。
 そして3次元を知覚出来る。
 飛ぶ事の出来ない蟻たちは、
 前後しかない限られた世界でも満足を感じているのだろうか。

 歴史に戻ろう。1975年4月30日。米軍の南ベトナム撤退と共に、
 隣国カンボジアではロン・ノル政権が崩壊した。
 カンボジアで実権を持ったポル・ポトは知識階級の粛正を行う事となる。
 粛正と言えば聞こえが良いが、なんのことはない、
 単なる大量虐殺の事だ。
 国内は混乱し、長きにわたる内戦へ誘われた。
 これも歴史の一面ではある。

 現代から過去を眺めるとき、
 点で「負け」のみを考える事が何の意味もない事を教えてくれるだろう。

 ここでふと思う。インターネットとは……。

 ネット(web)につながる事が出来る限り、そこでは距離という旧世代における通信手段、すなわちコミュニケーションにおける時間的制約は無くなった。

 インターネットでは3次元の制約を取り払ってくれたのだ。

 物理的に羽田からサンフランシスコまで移動するには飛行機で約11時間かかるが、電子メールであれば、ものの1秒もかからない。かつてネット対戦といえば「LANケーブル」による LAN 内という閉ざされたネット空間のみ可能だったが、今では、リアルタイムで日本・台湾・オーストラリア・アメリカ・イギリス・イタリアからネット対戦、しかもカーレースを出来るのだから、時代の進歩というのは恐ろしい(素晴らしい)。

 一見したところ非常に多くの情報が我々の手に渡ったように見える。
 だが、本当に制約は無くなったのだろうか。
 渡っているのではない、
 そう「見える」だけなのだ、と思う。
 うまく言葉には出来ないのだが、
 それは自分が蟻のように制約された世界に生きているからではないだろうか。

 今日もとあるメーリングリストで誹謗中傷の類の顛末が流れた。

 ネットの世界は1つじゃない、多くのホスト・コンピュータにつながれた複数の世界が、あたかも画面(ディスプレイ)という二次元の世界を通しているから、まるで三次元のリアル・ワールド(いま此処にある現実世界)のように錯覚しているにすぎない。実際、そのメーリングリストなり掲示板が厭になったのであれば、そこを「自ら」立ち去ればよい。ただそれだけだ。厭な気分をするくらいなら、パソコンの電源を落とし、ネットの回線を切り(ハサミでチョキンと LAN ケーブルを切るのが宜しいかと、無線 LAN ならルータを電子レンジでチンしればいい)・・・とまでは言わないが、別の掲示板なりメーリングリストなり他のコミュニティに移ったり、それも嫌なら自らコミュニティを立ち上げればいい。ネットの世界は現実世界上の資源=リソース(サーバのメモリ容量・ハードディスク容量・CPU処理能力・回線やバックボーンの太さ・電源)を消費をしているが、今のところ、ネットの世界は過去のパソコン通信の時代(といっても10年ぐらい前ですけど)に比べれば随分と住みやすくなった。わざわざ、狭い所で相手を蹴落とし毒を吐く必要も無い。それとも、単に自己顕示欲を満たしたいだけなのか?

 檻の中の住人は、檻の中の自由に満足する居る限り、本当の自由というのを感じられない、という。昔の偉い人が言った言葉だが、誰の言葉だか忘れた。これは10年ほど前のパソコン通信で偶然見かけた書き込みがこれだった。今でも忘れない。

 我々は檻の中の住人だ。

 だが、二次元のネット(たとえネット空間が 3D View な表示になっても、画面=ディスプレイという二次元のインターフェースを介する限りは二次元のままだろう)だという事を自覚さえすれば、誰でもその檻を自ら抜け出る事が出来る。最近、それを履き違えて三次元のリアル・ワールド(現実世界)と二次元(ネット)を混同しているような方々を見受けるのは気のせいだろうか。10年前だって、まだ、ネットなんてアブナイ"仮想社会"だってマスコミやらお偉い学者センセー方が言っていたのにな、仮想社会=下層社会=パソコンなんか触って喜んでるアブネー連中の巣窟、それがネットじゃなかったのか? 笑っちゃうよな。

 動物園の猿じゃないんだから、少なくとも、私たちが自由を望めば移動も出来るし、新天地を開拓する事もできる。ネットの話だけどね。

(初出:■2004:01:01 二次元にコンニチワ を元に現時点の情報を元に修正・加筆)

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2007年01月07日 20:22に投稿されたエントリーのページです。

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