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秋葉原無差別殺傷事件:謹んで哀悼の意を表させていただきます。

わりと近いところに住んでいるのに、ネットで気持ちを書いたってしかたない。そう思って現場にいってきた。なんとも居たたまれない気持ちになり、アキバに来てすぐにその場を立ち去った。何も買うような気持ちにもなれず、何も見て回るような気持ちにもなれず、唯々、走って逃げ出した。地下鉄の秋葉原駅に逃げ込むように。心が押しつぶされそうなくらい、つらかった。

ありきたりな論評や批判を書いたって、ネットにうもれるだろうから、自分のために、気持ちを整理するために、今日は書きました。

JR秋葉原駅前の様子
JR 秋葉原駅前は、いつもどおりのふいんき(雰囲気が何故か変換できない)。

今日の外は暑かった。時間は11時。道路に面した外に出ると、ムワッとした湿気を帯びた空気が襲ってくるのがわかる。ベタ付くような重たい空気。東京で梅雨を感じたのは、今日がはじめてだった。天気は快晴でも無いのに、とにかく日差しが眩い。駅に向かって歩き出す。横断歩道で信号待ちをしているだけでも、額から汗が流れる。なんで、こんなに今日は暑いんだろう。しばらく歩くと、地下鉄の入り口が見えてきた。逃げるように、地下鉄に向かって駆け込む。階段を下りると、日差しは薄れ、人工的な冷房の風が押し寄せてくる。心地よい。

地下鉄は茅場町駅から、日比谷線で上野・北千住方面、目的地である秋葉原駅に向かう。ホームにたどり着くと、丁度電車がやってきた。ガタンゴトン……意外と乗ってる人は少ないな。まぁ、午前中だしね。プシュー、と扉が開き、電車に飛び乗る。中は、冷房が効いている、冷蔵庫のようだ。

電車に乗って、適当に空いている場所に突っ立って、本を広げる。でも、本を読むフリをしながら、今回の事件について、色々考えていた。居たたまれない悲しみ、安らかならん祈り、静かな願い、そして、怒り。冷房のおかげで寒かったからじゃない。本当に、寒気がした。目には滲む涙、背筋に流れる汗。一刻も早く、電車から出たかった。人形町、小伝馬町をあっという前に通り過ぎ、ようやく秋葉原。所要時間は5分かな。我先に電車から飛び降りる。

地上に向かって、階段を上がる。周りの人たちは、みんな黙っているのは、それはいつも通りなんだけど、まるで通夜に向かう参列者たちのように、一様に下を向きながら、黙って改札を通過する。自分も、そんな中の一人。人の流れに沿って、地上に出る。さっきと違い、意外と暑くはない。日差しは相変わらず強いのだが、空気が乾いている気がした。もしかしたら、そういう精神状態のせいだったんだろうか。

直行するのは、なんとなくためらう気分。秋葉原駅の南側から、現地へと向かう。わりと、土曜っぽい人通りかな。結構、人がいた。山手線の下をくぐり、万世橋署の横を通り過ぎる。長い棒のようなものを携えた警備の警察官が署の前に陣取っていた。それを横目に、中央通りで右に曲がる。結構、いつも通りの人だかりが見える。相変わらずだな、おまいら。

中央通りをそのまままっすぐ現場・献花台の方向に向かう。人がぶつかるくらいの混雑ぶり。でも、歩道の中で人が避けて通る空間があるのに気がつく。みんな、そこを避ける。なんだろう? 近づくと、そこには木の袂にいくつかの花束とペットボトル。あ、ここも現場なんだ、と思った瞬間、空気が凍った。なんでこんな場所で……。寒気がした。

一礼して立ち去ると、交差点むこうの祖父地図(ソフマップ)前にテントが見える。屋根が白いテント。よくある町内会や学校のイベントで使われるようなそれ。あんな場所に? すぐに献花台だと気がついた。足取りが重くなる。え、本当にこんな所で事件が起こったの? 実感がわかない。また、額と背中に変な汗がながれる。交差点に近づくと、献花台には花が手向けられているのが見える。

歩道を渡り、献花台に近づく。そこには、20人ぐらいかな。通行している人たちが、次々に手を合わせたり、黙祷していた。自分も、そこに居る人たちと同じように、献花台に向かい、両手を合わせ、黙祷。その瞬間、なんともいえない悲しみにつつまれる。被害にあった、彼女・彼らの人生を想像する。自分と、ほぼ同じ年代の人たちや、もっと若い人たちも。新聞や、ネットで読んだ、犠牲者達の人生や想いといったものが、流れ込んでくるかのような錯覚に襲われる。絶対さ、悔しいだろうなぁ、と。……気がついたら、手や肩が震えていた。目からは汗がという程に、涙が溢れていた。すすり泣きしていた。なんか、急に胸を締め付けられるように、辛くなって。

ハッと気がつくと、居たたまれない気持ちと恥ずかしい感じが織り混じり、祖父地図前にすこし下がって、献花台をボーッと眺める。涙を拭いながら。信号が変わると、多くの人が献花台の前を通る。中には、軽く一礼する人や、献花をされる方、手持ちのペットボトルのお茶を供える方、、いろんな人がいた。

けれども、何事もなかったように、素通りする人もいれば、ニヤニヤ眺めてるの人もいれば、自分のように涙拭ってるのを何コイツ?的な冷ややかな視線を投げる奴やら、現場を写真に納めようとしているのとかいて、複雑な気分になった。なんというか、せめて、人らしく、できないのかなとか。他人に自分の基準を求めるのは、酷だとは思いつつも。

気持ちが落ち着き、再び献花台に向かい、落ち着いた状態で、改めて黙祷する。けど、また居たたまれない気持ちになっちゃって、急に辛くなってくる。もう耐えられない、思わず振り返り、赤信号の交差点に飛び出そうとしてしまった。あぶない。全身の力を込めて、踏みとどまる。警察官が信号変わりますよと声かけてくれなかったら、交差点に突っ込んでた、危なかった。背中に変な汗が流れる。周りから、何コイツ?的な視線を感じる。はやく信号変わって欲しいよ……。

歩道の向こうを見ると、TBS のカメラマンとレポーターかな、3人グループがいて、なにやらカメラを担いでいる。取材だろうか? 歩道をそそくさと渡り、取材班の横を通り過ぎると「目撃者いないかな~」みたいな軽いノリで話をしていた。おまえら邪魔。軽くイラっとした。

けど、さっきの哀しいやら辛いやら怒りがごちゃまぜになって、とにかく逃げ出すように、早足で現場から遠ざかった。まっすぐに地下鉄の入り口を探し、飛び込んだ。早足でホームに向かう、丁度来た電車に飛び乗る。もう、とにかく、この場所から離れよう。ずっと留まるのは辛い。そういう気持ちでしかなかった。電車の中でも、また、涙が溢れそうになってきて、堪えるのが精一杯。正直、つらい。

茅場町に着き、逃げるように、ふたたび地上に出る。日差しが強く、暑い。空気は東南アジアのような、湿気を帯びた重さを持っていた。現地に向かう前と、変わらない気候。でも、自分の心の中では、何かが確実に変わったのを感じた。

こんなにも、自分にとっては身近な秋葉原(アキバ)で、こんなにも、ひどい、ありえない事件が起こるなんて。この文章を読み直しているだけでも、哀しくて、哀しくて。自分は、ただただ、祈ることしかできないんだけれども。余計な分析やら、犯人の事やら、そういうのは、正直おなかいっぱい。もう辞めてよ。ただただ、みんなアキバが好きなだけなんだからさ。みんな笑顔で、ワクワクしていた楽しいアキバに、戻ってほしい。そう、強く願います。

そして、改めて。犠牲になった方々のご冥福をお祈り申し上げます。

BGM は KOTOKO の「地に還る~on the Earth~」

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2008年06月14日 17:51に投稿されたエントリーのページです。

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