去る5月27日、第3回 CloudStack 勉強会が、TEPIA(@渋谷)にて開催されました。お題はクラウド・コンピューティングを実現するためのインフラ技術である、「CloudStack」(クラウド・スタック=一部界隈では「クラ☆スタ」)についてCloudStack は Cloud.com 社が提供しており、オープンソース版と商用版があります。勉強会では、Cloud.com社による今後のロードマップのほか、ざっくりCloudStack概要紹介。日本国内の事例としてIDCフロンティアの方、Citrixの方のセッションがありました。
【Cloud.com】 CloudStackユーザ会(CloudStack勉強会) – 第3回 : ATND
http://atnd.org/events/15899
当日の様子は、togetter でもまとめてあります。
Togetter – 「第三回CloudStack勉強会なタイムライン」
http://togetter.com/li/142294
勉強会から、ちょっと間が空いてしまいましたが「勉強会はブログを書くまでが勉強会(キリッ」ですので、気になった点を纏めておきました。
◆『CloudStackを使ってみよう』オープンクラウドキャンパス/CloudStackユーザ会 荒井康宏氏
- ざっくりと CloudStack と Cloud.com 社の紹介
- CloudStack の国内導入事例
- IDCF NOAH プラットフォーム
- 北海道大学 アカデミッククラウドの基盤
- CloudStack 最新情報
- Enterprise Edition 2.2 が 2011年2月にリリース
- 機能追加がメイン(合計25機能追加)
- VMware vSphere ESX/ESXi をサポート
- KVM 環境での VLAN・スナップショット・クラスタ機能
- 1VMで複数NIC対応などなど
- その後 2.2.1 がリリース
- バグフックス2件、機能追加無し
- Enterprise Edition 2.2 が 2011年2月にリリース
◆『Cloud.com/CloudStack の実績と今後の展開戦略』Cloud.com社 Asia-Pacific 担当 VP Ken Kim氏
- アジア・日本での展開について
- 日本は重要なマーケットと考えている
- IDCフロンティア(パブリッククラウドの事例)
- 北海道大学(プライベートクラウドの事例)
- 日本では4人で活動している。数ヶ月以内胃にパートナーの拡充・株式会社設立
- アジア・パシフィック地域で、ビジネスの半分以上の売り上げ。
- 香港・インド・シンガポール・オーストラリアで展開済み
- 日本は重要なマーケットと考えている
- 今後の戦略
- CloudStack の機能充実
- もっと様々なハイパーバイザ、ロードバランサ、ストレージを組み込んでいきたい
- Cloud.com は OpenStack のメンバでもある
- ストレージ Swift での貢献
- Swift は CloudStack でも扱えるようにしたい
- 2011年第四四半期~2012年第一四半期
- CLoudStack/OpenStack 上位レイヤとしての CloudDesktop や CloudDR の提供
- 新しいクラウドポータルの開発をすすめていく
- より使いやすいユーザ・インターフェース
- ビジネスロジック(課金、CRMなど)のインテグレーション(機能統合)
- クラウド間の移行機能
- ユーザのプロフィール機能
- 1つのゾーンをまとめて管理する
- 同じインターフェース上で、CloudStack だけでなく、Amazon Web Services や RackSpace も管理ができるような
- 上記のような機能を、プラグインとして使えるようにしたい。
- CloudStack 3.x のリリースを2011年9月に
- IPv6 対応
- Swift を使ったオブジェクト/ストレージの提供
- ストレージ QoS
- アプリケーション・テンプレート(ウェブ・DBをセットで使えるようにするもの)
- ネットワーク視覚化(ネットワークのトポロジを簡単に表示)
- CloudStack の機能充実
- Cloud.com は、ユーザのニーズを拾うことで高機能化している
- ユーザからのフィードバックを開発に反映(もちろんIDCFの開発事例でも
- オープンソース界にも貢献していく
◆『国内初CloudStack採用のオープンクラウドサービス』IDCフロンティア 梶本聡氏
- 仮想化プラットフォーム NOAH(ノア)には課題があった。
- HaaS ( Human as a Service ) … クラウドとは言いながらも人海戦術(テンプレート管理、ファイアウォール管理、VM管理)
- スケーラビリティ … 10G 共有回線の上位ファイアウォールに、上限があった → 分散して対応
- 複数のハイパーバイザの管理が大変 … Hyper-V と VMware 。どちらもユーザのニーズに応えたものだった
- API 提供ができていない … 運用が自動化できない
- 新しい NOAH のコンセプト
- 1. 世界標準のクラウド … オープンなIaaSによるエコシステムを構築したい
- 2. 多様なバリエーション … ユーザのニーズに対応したい
- 3. 日本語品質の信頼性 … 99.99% の SLA 品質
- これら機能を実現するために、Cloud.com 社 & CloudStack という選択肢を選んだ
- なぜ CloudStack を選んだのか?
- オープンな世界で、世界標準の可能性があった。
- インドの TATA Communications や、韓国 Korea Telecom、シンガポールの Singapore Telecom など、世界中に導入事例(とりわけアジア地域に強い)
- オープンソースへの取り組みもイケてる
- クラウド OS としての完成度が高い
- 作り込まなくても、すぐにサービス提供が可能なレベル
- サービスプロバイダ・エディションでは、Cloud.com 社のサポートを受けることが出来る
- Cloud.com 社はノウハウがある。自分たちが気づかない所まで技術提案
- Cloud.com 社のビジョンへの共感・方向性の一致
- IDCフロンティアは、データセンタのクラウドを目指す。
- 日本向けの機能開発など、一緒にサービスを開発している。
- 日本・アジアを非常に重視している
- オープンな世界で、世界標準の可能性があった。
- 提供予定の新しいNOAHの特長
- オンラインサインアップとクレジットカード決済(5分で)
- 国内では直ぐに(クラウドを)使える所が少ない
- 「フラフラと入って、だめなら抜けてもいい」ような気軽なサービスに
- 仮想も専有環境も5分で構築出来る
- 1サーバ、1ユーザ専有の環境を
- CloudStack API の提供
- 選べる従量課金と月額課金
- 日本市場にあわせた機能の選択
- 電話・ウェブによるテクニカルサポート
- データセンタ間での Availabiliity Zone の構築
- 手間を掛けないセルフ監視サービス(なるべく使えるようなサービスに)
- オンラインサインアップとクレジットカード決済(5分で)
- ダッシュボード(管理画面)
- 利用額のバジェット(予算)管理機能。例えば、予算の80%を超えたらアラートが出て、使いすぎないように。
- サービス状態が分かるような機能
- 孫ユーザが居て、ユーザに顔写真(face)を付けられるように
- 問い合わせはwebチャットベースでも可能なように
- 操作ログの記録
- リリース
- 2011年7月末の予定
- 事前にプレスリリースを改めて出す良い
- twitter アカウント @NOAH_Plat http://twitter.com/#!/NOAH_Plat
- 2011年7月末の予定
◆『XenServerとCloudStackの事例から学ぶ今時のクラウド』 Citrix 北瀬氏
- クラウドの活用には「従来型データセンタ」モデルと、「パブリッククラウド」の各モデル
- 従来型…パフォーマンスが必要。リアルタイムの処理
- パブリック型…ウェブアプリケーション・開発・テスト環境
- その中間に「ハイブリッドクラウド」という新しい概念
- CloudStack + XenServer の事例が増えてきている
- 北海道大学 情報基盤センター
- 研究者や学生に対して「学内クラウド」を提供
- ゲーム会社
- Amazon EC2で運用→自前でプライベートクラウドも構築
- AWSとプライベートクラウドを1つのクラウド管理ソフトで運用
- 1000台以上の物理サーバ、22分で1000の仮想サーバを展開可能
- 海外の大手建設会社
- CloudStack をプライベート的な使い方
- セキュリティ・コンプライアンスを重視するので enStratus(エンストラタス)を採用
- コリアテレコム
- 政府要請により、韓国最大のパブリック&プライベートクラウド環境を構築
- Citrix+enStratus+Nexenta+Anstaの技術
- タタコミュニケーションズ
- CloudStack+CloudPortalをベースにしたクラウド基盤
- ハイパーバザーはXenServer
- 北海道大学 情報基盤センター
◆『国内初CloudStack採用のオープンクラウドサービス』IDCフロンティア 梶本聡氏
- 仮想化プラットフォーム NOAH(ノア)には課題があった。
- HaaS ( Human as a Service ) … クラウドとは言いながらも人海戦術(テンプレート管理、ファイアウォール管理、VM管理)
- スケーラビリティ … 10G 共有回線の上位ファイアウォールに、上限があった → 分散して対応
- 複数のハイパーバイザの管理が大変 … Hyper-V と VMware 。どちらもユーザのニーズに応えたものだった
- API 提供ができてい