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宇宙開発 】 2007年01月16日 07:21

 10年前以上前から日本には独自の月面研究開発プロジェクト『ルナーA(LUNAR-A)』が動いていました。しかも日本初の月面関連プロジェクト。うまくいけば、火星や他の惑星・小惑星探査に応用でき、将来は宇宙で貴重な資源が得られるかもしれない、という基礎的科学技術を得るためにも、日本独自で進めることに意義があるプロジェクトです。これはアメリカもロシアも行っていません。月面の石ころを拾うくらいや月面をスキャンするぐらいは出来ても、その内部構造までは分かっていないのです。それを調査するのが、このプロジェクト。日本が最先端。

 ところが、そんなプロジェクトが中止ですと!?

 うっかり共同通信のニュースに騙されそうになりました。ニュースソースを辿らないと、日本の宇宙開発(月面調査)から撤退=JAXA なんかに無駄な予算回すなよなー、という後ろ向きなニュースに見えてしまったので。ほんと、この共同通信のニュース『瞞された』と思いました。

- 月の内部探査を中止
機器開発遅れで宇宙機構 2007年01月15日 12:31 【共同通信】

『宇宙航空研究開発機構は、15日の宇宙開発委員会部会で、月に「ペネトレーター」と呼ばれるやり形の観測機器を打ち込んで内部構造などを探る、ルナA計画を中止する方針を明らかにした。~略~同機構は、母船の修理や新たな母船製作も検討したが、費用がかかり過ぎるため断念した。』

 この記事読むと、日本の月面開発は中止となり、開発器機はロシアにお払い下げ、と読めるのですが、事実は違うようです。でも、JAXA の正規プレス・リリースでは、ルナーA(LUNAR-A)プロジェクトは中止ではなく、計画見直し

- 第17号科学衛星(LUNAR-A)プロジェクトの状況について JAXA

 でも、こちらを読むと、プロジェクトは推進されるべき、という風にも思えるのですが、どうなんでしょう。
 JAXA からは正式のプレスリリースが出ていないので問い合わせてみます。プロジェクト中止は事実なのか、事実であれば理由は何か、あとは正式なプレス・リリースの提示をお願い。
以上、問い合わせてみました。とりあえずフォームで。

「回答には少々時間がかかる場合がありますが、がんばってお答えするつもりですのでしばらくお待ちください。」

 と、ブラウザ画面に表示されました。返答を待ちます・・・。

 これが事実なら、日本の宇宙開発にとっては大きな損失になるんじゃないでしょうか。本当にお金の問題で解決するのなら、北陸新幹線を即時中止し、予算を宇宙開発のほうに向けるべきだと思うのですが。そのほうが、将来のためだと思います。日本のためにも。世界のためにも。

参考
- 葛飾区郷土と天文の博物館-かつしか天文セミナー

宇宙開発 】 2007年01月19日 04:20

 先日の書き込み

- ルナーA(LUNAR-A)プロジェクト中止?誤報?>共同通信

 について、『 JAXA 問い合わせ中 』でしたが、昨日 1/18 に JAXA 広報部の方から返信のメールが私の手元に送られてきました。一個人の勝手な問い合わせでしたが、回答をされた JAXA の方には頭が下がります。

 返信では、まず、1/10 のプレスリリースの URL を提示されました。

- 第17号科学衛星(LUNAR-A)プロジェクトの状況について

 その後、1/15 に開かれた宇宙開発員会推進部会という所で、JAXA としては残念ながらプロジェクトを断念せざるを得ない、という結論に達したそうです。メールでははっきり書かれていませんが、現在、最終的な関係各所との調整中との事です(プロジェクトの現場で強く反発が起こっているのかな。報告書の PDF 読む限りでは、どうやっても JAXA 単独でプロジェクトは推進できる!という風にも読めましたので)。

 ただ、メールでまだ気になる点はあります。メールの該当部分での事実は

「中止に至らざるを得ないという報告をした」
「開発目途のベネトレータは国内外の他のプロジェクトへの転用を提案した」
「以上2点は宇宙開発員会推進部会で評価中」

 ということですので、もしかしたら、LUNAR-A プロジェクト自体は中止となっても、LUNAR-A2 や LUNAR-B として別プロジェクトとして残る可能性もあるわけですよね(希望的観測)。つまり、共同通信のニュースは本当かもしれないけど、情報のリークが早すぎだったというのが真相のようです。プロジェクト中止が正式決定になれば、正式にプレス・リリースは出るでしょう。

 あらら、でも今気がついたのですけど、返信メールのタイトルが・・・

『Subject: Re: LUNAR-A プロジェクト中止は事実で』

 の『事実で』の後がない(^^;; 『事実です』『事実ではありません』どちらなんだろう。。

 ま、やぶさかなので突っ込みは避けておきますが、いずれにしろ文面からすると、まだ正式プレス・リリースは出せないけど、情勢からするとプロジェクト中止は避けられないという事のようですね、残念です。。労いの返信メールを出しておきました。

 とはいえ、ベネトレータ(月面に打ち込む杭のような調査機器)は完成間近であり、今後は国内外の別プロジェクトで活用されるとの事です。ベネトレータを使った調査は将来の火星や小惑星の資源・惑星構造調査に役立つもので、ここは日本が押さえておくべき重要な技術ですから、是非、JAXA 単独ミッションを期待していたのですが。。。この調査は単なる月面調査(地表面)ではなく、月構造(月内部構造)の解析であり、それが世界初という点でも重要な事だと思います。有人宇宙なんかやってる場合じゃなくて、そんなのは後からでも出来ますからね。

 NASA との相乗りでも構わないので、日本の宇宙開発において貴重なデータとなるよう今後ベネトレータが活用される事を願います。

宇宙開発 】 2007年01月20日 05:30

 中国が宇宙での弾道ミサイルで人工衛星撃破実験に成功したというニュースが流れています。

- 中国が弾道ミサイルでの衛星破壊実験に成功 国際 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 
 要は弾道ミサイルの応用で打ち上げられた兵器(運動エネルギー撃破飛翔体、チャフの大型版みたいものか?)を使って目標とする人工衛星を破壊することが出来る、との事です。これが実際に兵器として使用されると、たとえば GPS 衛星が墜ちるとカーナビは効かないし、漁業や登山にも影響が出ます。通信衛星であれば BS/CS 放送が見えないだけでなく、携帯電話の基地局間通信に影響が出る可能性もあります。

 ・・・と、それよりも『 宇宙にゴミをバラ撒くな!! 』と強く言いたい。宇宙ゴミというのはスペースデブリと言われていて、主に未使用となった人工衛星やロケットの破片など人為的に作られた"ゴミ"を指すことが多いようです。たとえそれが 10 cm 程度の小さな物体であっても高速に移動している場合、人工衛星やロケットや宇宙ステーションに衝突すると破壊原因となるおそれがあります。このまま何も対策をとらずにいると、将来、人類の宇宙開発に重大な被害を与える事が危惧されています(プラネテスの世界だなぁ)。宇宙開発どころか、人工衛星の維持すらままならない=たとえばカーナビが使えなくなるのは勿論、天気予報も出来なくなるかも。

 スペースデブリの事を考えているんだろうか、まったく。。現在でさえ 9,000 個以上のデブリ(確認されているだけ)が宇宙空間上に存在しており、約 10 cm (4 インチ)以上のもので約 5,500 トン(サイエンス誌)の物体が飛び回っているそうです。

 あああ、まったく何を考えているのか。。。

- 宇宙ゴルフで“飛距離世界記録”を出したロシアのチューリン飛行士

 ・・・後世で非難されそうな予感。。。


参考文献:
- スペースデブリ, Wikipedia/Jp
- 「宇宙のゴミ」が環境問題化、将来の障害に? (Wired News)
- Wired News We're Pigs in Space, Too
- PLANETES Web - プラネテス公式サイト

宇宙開発 】 2007年10月14日 22:22

- フォトレポート:宇宙開発の半世紀を振り返るスペシャルレポート - CNET Japan

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