2010年12月2日(木)、渋谷にてRightScale勉強会#3があったので、行ってきました。このレポートは、イベント参加記録を簡単にまとめておいたものです。ちなみに、RightScale(ライトスケール)は、米RightScale社が提供する Amazon Web Services ( 以下 AWS ) や Eucalyptus などクラウド環境を、ブラウザを通して管理することが出来る運用支援ツールです。無償で利用できる”Free Edition”と、高度なツール群を備えた有償版もあります。
◆第三回勉強会
通算三回目の勉強会は、渋谷フォーラム8の7階にある会議室。会場を見渡してみると、100人近くが参加していた模様(参加者の中には、チラッと忍者も見えたような)。
前半は 、米 RightScale 社から特別ゲストによるセッション。Josh Fraser 氏と Elise Arthurs 氏の2名。Josh 氏は同社副社長でビジネス開発部門を担当。Elise 氏は、マーケティング・ディレクターとして、世界中のコミュニティ活動を支援。アメリカから、わざわざ日本の勉強会へ参加されるとは、気合いの入りようが伺えます。
後半は、勉強の成果発表。安田氏(北陸先端大学)と荒井氏(クラウド利用促進機構CUPA)がそれぞれ登壇されました。
以下、手許のφ(..)メモメモをもとに、気になった所を書き起こしました。
◆「会社紹介と最新のニュース」Josh Fraser氏
- RightScale社について
- 世界中から開発スタッフが集まっている
- スタッフは120人。6カ国、14言語。
- 日本、シンガポール、オーストラリア、EU、ロシアから
- クラウドコンピューティングが世界中に広まりつつある
- Product Update
- New Cluster Monitoring
- 12/3 リリース
- サーバ群の利用状況を、一覧で確認出来る。
- 見やすい。
- Heat map や Stocked グラフなど、ユニークな機能も
- New Bulk UI Operations
- 複数のアカウント情報を、グループ化して扱える
- グループ毎にテンプレートのグループ化も可能
- パッチあてや、設定変更に効果的
- API enhancements
- Zinga社にはAPI 1.0 から使用
- ロードマップ。今 1.5 → 2.0 に向けて開発中
- 1.5 は、Rackspace、Cloud.com、Eucalyptus に対応中
- まだ EC2 には対応していない
-
- API 2.0 からは、Amazon Web Services に対応予定
- RightScale Widgets
- RightScale の管理画面を、自由にカスタマイズ可能
- ↑Widgetsによるカスタムビュー
- 自分だけのダッシュボードを作ることが出来る。
- AWS のダッシュボードを自分でつくることも
- 言語は CSS フレームワークの Liquid を使える
- Private Cloud Early Access
- 今日のクラウドは「マルチクラウド」
- RightScaleの利用者は、世界中のリソースプールの中から、自分に必要なものを選べるように
- たとえば、Server Template を、他のクラウドでも扱えるように
- ただ、ポイントは「それぞれのクラウドは異なる」ということ。
- たとえば、クラウド間でAPIの互換性はない。
- 機能でも、AWSのSQS・RDS は、Rackspace にはない。
- Unified UI and API for automation
- RightScale では、RightImage に対応したテンプレートを使えば、いろいろなクラウドで使えるように。
- Cloud.com と Eucalyptus で作った環境は、RightScale に簡単に登録出来るようになっている。
- New Cluster Monitoring
- 質疑応答
- OpenStack 2.0 のサポートにむけて。
- RightScale 社も OpenStack にコミットしている。
◆「RightScale のコミュニティ」Elise Arthurs氏
- 世界中に RightScale のコミュニティ
- 「We want you Japan!!!」
- RightScale User Conference
- 11/3 カリフォルニア州サンタバーバラで開催
- ロードマップの発表や、パートナー企業等によるセッション
- 300人以上が参加
- 次回は2011年6月6日〜9日、ニューヨークで開催
- Cloud Computing Expo と同じ場所で開催
- コミュニティ活動
- Server Templateの発行が、Freeアカウントでも利用可能になった
- コンテストを実施。優秀者3名を表彰(景品iPad)
- RightScale Ambassador Program について
- 日本でコミュニティを活性化させるためのアイディアを募集中
◆「MySQL Server Template を試してみました」安田 祟浩氏
- RightScale の VIP アカウントがもらえたので、試してみた。
- EC2 で MySQL Server
- 自前だと、結構面倒
- RightScaleが MySQL の Server Template を提供中
- インストールや運用が楽になる
- 特徴として、RightScale 上で、ブラウザを通して MySQL のアカウント設定、バックアップ設定等が可能
- EBS ストライピングによって、I/O 負荷の軽減
- LVMストライピングにより RAID 0 相当
- Slave フェイル・オーバー
- 他社の DNS Made Easy ($37.95/年)を使えば、障害発生時、Slave の IP アドレスに Master サーバのホスト名をあてることができる
- あとは、監視機能
- 状態監視 … CPU ・メモリ等のリソース監視
- 異常監視 … バックアップ等、20種
◆「RightScale 自主勉強(第3回)」荒井 康宏氏
- 第三回開催までのいきさつ。これまでは限定4人だった
- RightScale を使っているユーザは、会場の約三分の1(挙手)
- ちなみに、AWSは、ほぼ全員が使っている
- RightScale は、クラウド管理プラットフォーム
- Server Template
- Right Scripts
- コミュニティ紹介
- RightScale のデモ
- 困ったことがあれば、オンラインドキュメントが役に立つ
新機能が続々搭載される RightScale 、なかなか刺激的です。AWS も GUI (Management Console) を提供しはじめていますが、複数のクラウド環境を1つの画面で取り扱うことが出来る RightScale はユニークな存在。今後も、RightScale の動きは注目ですね。