sendmail?

 Fedora Core 4 では標準の MTA として sendmail(センドメール)がセットアップされています。

 とりあえず最低限使うための設定をここに記述します。詳しい設定は他の方のページにおまかせするとして、とにかく使いたい!!ってな時にご利用ください〜。

設定ファイルの場所

 sendmail の諸設定ファイルは /etc/mail 以下のディレクトリにあります。

$ ls -al /etc/mail
合計 276
drwxr-xr-x   3 root root  4096  6月 14 19:13 .
drwxr-xr-x  93 root root 12288  6月 24 20:05 ..
-rw-r--r--   1 root root  1035  5月  6 21:35 Makefile
-rw-r--r--   1 root root   331  5月  6 21:35 access
-rw-r-----   1 root root 12288  6月 14 19:09 access.db
-rw-r--r--   1 root root     0  5月  6 21:35 domaintable
-rw-r-----   1 root root 12288  6月 14 19:09 domaintable.db
-rw-r--r--   1 root root  5588  5月  6 21:35 helpfile
-rw-r--r--   1 root root    64  5月  6 21:35 local-host-names
-rw-r--r--   1 root root     0  5月  6 21:35 mailertable
-rw-r-----   1 root root 12288  6月 14 19:09 mailertable.db
-rw-r--r--   1 root root 58079  6月 14 19:09 sendmail.cf
-rw-r--r--   1 root root  7069  5月  6 21:35 sendmail.mc
drwxr-xr-x   2 root root  4096  6月 14 19:13 spamassassin
-r--r--r--   1 root root 41348  5月  6 21:35 submit.cf
-rw-r--r--   1 root root   952  5月  6 21:35 submit.mc
-rw-r--r--   1 root root   127  5月  6 21:35 trusted-users
-rw-r--r--   1 root root     0  5月  6 21:35 virtusertable
-rw-r-----   1 root root 12288  6月 14 19:09 virtusertable.db

 このなかで頻繁にお世話になるのが【 access 】と【 sendmail.mc 】です。

local-host-names の編集

/etc/mail/local-host-names

 このファイルの中にサーバが扱う(このサーバにメールが送られてくる)ドメイン名またはサブドメイン名を記述します。

 たとえば、該当サーバで【 ユーザ@example.jp 】と【 ユーザ@hoehoe.jp 】を使いたい場合、ファイル中には次のようにドメイン名を列挙しておきます。

# local-host-names - include all aliases for your machine here.
example.jp
hoehoe.jp

 この記述は「サーバが扱うメールのドメイン名」の定義です。ここに記述されていないメールは扱われない=迷惑メール対策にもなります。

sendmail.mc の設定

 sendmail.mc は sendmail の設定ファイル sendmail.cf の元となっているファイルです。この sendmail.mc ファイルは M4 マクロ形式で記述されています。

vi /etc/mail/sendmail.mc

 などで、ファイルを編集します。

 編集点は下記の通りです。まず 112 行目を変更します。

DAEMON_OPTIONS(`Port=smtp,Addr=127.0.0.1, Name=MTA')dnl

 初期状態では 127.0.0.1(自分自身)に対してのみ SMTP ポートを開きます。これではメールを外部に送ることはできても、メールを受け取ることは出来ません。

DAEMON_OPTIONS(`Port=smtp,Addr=210.239.46.254, Name=MTA')dnl

 Addr の後ろに該当サーバの IP アドレスを記述するか、以下のように行自体をコメントにして無効にしてもいいです(M4 マクロでは dnl がコメントの意味です)

dnl DAEMON_OPTIONS(`Port=smtp,Addr=127.0.0.1, Name=MTA')dnl

 次は 151 行目の編集です。

LOCAL_DOMAIN(`localhost.localdomain')dnl

 初期状態ではこのように、自ホスト名が localhost.localdomain となっています。

 このままではメールの配送に支障が出ますので、自分のホスト名を適切に記述します。たとえば、hoehoe.jp であれば

LOCAL_DOMAIN(`hoehoe.jp')dnl

 このように書き換えます。

 最後に、自ホスト名を Cw で定義します。sendmail.mc の末尾に、ドメインが hoehoe.jp であるなら

Cwhoehoe.jp

 このようにして記述しておきます。この記述は無くてもよいのですが、sendmail は自分のホスト名を "localhost.localdomain" として認識されてしまうので、念のために自ホスト名は記述することに越したことはありません。

 以上で sendmail.m4 の最低限の設定は終わりです。

sendmail.mc から sendmail.cf の作成

 次のコマンドを実行して sendmail.cf の構築を行います。

# m4 /etc/mail/sendmail.mc > /etc/mail/sendmail.cf

 実行しても特に結果は出ません。sendmail.cf ファイルがこれで準備できました。

/etc/mail/access による利用者の制限

 このファイルで「制限」を行わないと、世界中の誰でもそのサーバからメールが発信できてしまいます。つまり予期せぬ利用をされることもあります(スパムメール発信の為の踏み台)。そうならないよう、access ファイルで適切に制限をかける必要があります。

 vi エディタでファイルを開き【許可する環境 RELAY】のように記述します。

# Check the /usr/share/doc/sendmail/README.cf file for a description
# of the format of this file. (search for access_db in that file)
# The /usr/share/doc/sendmail/README.cf is part of the sendmail-doc
# package.
#
# by default we allow relaying from localhost...
localhost.localdomain           RELAY
localhost                       RELAY
127.0.0.1                       RELAY
example.jp                      RELAY
192.168.                        RELAY

 記述が終わったら access.db ファイルを構築します(sendmail は直接 /etc/mail/access ファイルを読むことは出来ません)。

# makemap hash /etc/mail/access.db < /etc/mail/access

 この access ファイルに記述されていない環境から送信を試みようとすると、/var/log/maillog に次のようなログが記録されます。

Jun 24 20:54:02 sion sendmail[4937]: j5OBs2fs004937: ruleset=check_rcpt, 
arg1=<to@example.jp>, relay=dhcp102.internal [192.168.11.102], 
reject=550 5.7.1 <from@example.jp>... Relaying denied

 【 reject=550 5.7.1 】の【 Relaying denied 】=メールの中継を拒否した、という記録です。正しく環境が /etc/mail/access に記入されているかどうか、再確認をされることをおすすめします。

sendmail の起動テスト

# /sbin/service sendmail start
sendmail を起動中:                                         [  OK  ]
sm-client を起動中:                                        [  OK  ]

 特に問題なければ、そのまま OK と表示されます。

sendmail の自動起動設定

 初期状態で sendmail パッケージが選択されていれば、自動起動する設定になっています。

# /sbin/chkconfig --list sendmail
sendmail        0:off   1:off   2:on    3:on    4:on    5:on    6:off

 もし自動起動しないような設定であれば、chkconfig で変更をかけます。

# /sbin/chkconfig sendmail on

 引き続きメール受信サーバ(MRA) dovecot の設定を行う場合は次のページをご参照下さい。

dovecot による MRA(メール受信サーバ)を用いた pop3,pop3s,imap,imap4構築


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Last-modified: Fri, 01 Jul 2005 17:08:50 JST (7103d)