6章 オペレーティング・システム固有の補足説明 †このセクションでは特定のオペレーティング・システムに対してのみあてはまる追加補足や推薦事項です。このセクションの資料は決して FHS 標準と対立するものであってはいけません。 Linux †ここは Linux オペレーティング・システムのための補足説明です。 / : ルートディレクトリ †Linux システムでカーネルが / 直下に置かれている場合、そこで用いられる名前は vmlinux か vmlinuz です。最近の Linux カーネルパッケージまで用いられていました。 /bin : 重要なユーザ・コマンド群(全てのユーザーが利用) †Linux システムでは以下の追加ファイルを /bin 以下に必要とします:
/dev : デバイスと特別なファイル †以下のファイルが /dev になくてはいけません。
/etc : ホスト固有のシステム設定 †Linux システムでは以下の追加ファイルを /etc 以下に必要とします:
/lib64 と /lib32 : 64/32 ビット・ライブラリ(アーキテクチャ依存) †PPC64、s390x、sparc64、AMD64 といった 64ビット・アーキテクチャが必要とするライブラリ群は /lib64に、そして 32 ビット(あるいは 31 ビットの s390)のライブラリは /lib に置かなくてはいけません。 64 ビットのアーキテクチャ IA64 の場合は、64 ビットライブラリを /lib に置かなくてはいけません。
/proc : カーネルとプロセス情報の仮想ファイルシステム †proc ファイルシステムは /dev/kmem やその他の似たようなコマンドを使うよりも、プロセスとシステム情報を処理するために用いる Linux では事実上標準的なシステムです。記録装置の情報やカーネル情報、メモリ情報と同様、プロセスの情報を得るために /proc を用いることを強く推奨します。 /sbin : 重要なシステムコマンド群 †Linux システムでは以下の追加ファイルを /sbin 以下に必要とします:
/sbin のオプションファイル:
静的な ln(sln) と静的な sync(ssync) は失敗したときの為に便利なものです。sln の主な用途(アップグレードによって /lib への調整が不適切で間違ったシンボリック・リンクを修復すること)は ldconfig プログラム( /usr/sbin にあります)の登場によって重要ではなくなり、ダイナミックライブラリのアップグレードを ldconfig が務めるようになりました。静的な sync はいくつかの緊急事態で役に立ちます。標準的な ln と sync のバージョンでは静的なリンクが必要とされていないかもしれないので注意を払ってください。 ldconfig コマンドは共有ライブラリをアップグレードするときだけよりも、むしろサーバ起動時に ldconfig を実行出来るように選べるようにしておくことが望ましいでしょう。(起動時の度に ldconfig を実行することに利点があるかどうかは明白ではありません。)たとえそうだとしても、以下の状況に陥った時のため多くの人から ldconfig は好かれています:
若干のキーボードで調整を必要とするために kbdrate が /sbin にインストールされるかもしれません。 Ctrl-Alt-Del キーの組み合わせによって簡単にルートファイルシステムのファイル読み書きを禁止にし、ハードウェアの再起動を行わせることがカーネルのデフォルトとして実装されていました。init によっては Ctrl-Alt-Del 機能を利用不可能としている場合もあります。ですが、そのような場合は /sbin に ctrlaltdel プログラムが置かれているかもしれません。 /usr/include : C言語のヘッダファイル †C 言語か C++ 言語のコンパイラがインストールされているか、あるいは glibc をベースとしていないシステムでも以下のシンボリック・リンクを必要とされます。 /usr/include/asm -> /usr/src/linux/include/asm-<arch> /usr/include/linux -> /usr/src/linux/include/linux /usr/src : ソースコード †glibc に基づくシステムにはディレクトリに対する特定のガイドラインがありません。Linux 版 libc が glibc よりも優先度が高いシステムでは、以下のガイドラインと理論が適用されます。 唯一ソースコードの置く場所が定義されているのは Linux カーネルのソースコードです。/usr/src/linux と規定されてます。 もし C あるいは C++ コンパイラがインストールされていても、完全な Linux カーネルソースがインストールされていないなら、カーネルソースコードの組み込みファイルは以下のディレクトリに置かれているでしょう。 /usr/src/linux/include/asm-<arch> /usr/src/linux/include/linux <arch> はシステムアーキテクチャの名前です。
/var/spool/cron : cron と at のジョブ制御 †このディレクトリは cron と at のため、そしてプログラムのための可変的なデータを含みます。 |